2017.11.29

CASH vs Mercari


即時買い取りサービスがガチンコ勝負になっていておもしろくなってきている。
CASHが思いもよらないクリエイティブな方法でサービスを拡大するか、ユーザー数をかかえるメルカリがその販路を活かしてチャンスをものにするか、という感じになっていくんじゃないかな。

■リンク
メルカリが「メルカリNOW」を発表、CASHが先行する即時買い取り市場に参入

査定したアイテムは「1000円以上」で売れるように、即時買取アプリCASHが最低金額保証を開始

メルカリは個人が商品を出品して、欲しい商品を見つけた個人が買うというCtoCフリマアプリだけど、商品の梱包・配送は自分でしないといけないし、買い手によっては値切り交渉に付き合わされたり難癖つけられたりと、出品者側は出品コストとコミュニケーションコストが高い。

また、察するにメルカリはそれなりの規模のカスタマーサポート(CS)を設置しており、中の人達はユーザーの理不尽な要望に対する対応に追われているはずだ。企業としては相当のコストをかけていると思う。誤解を恐れずに言うと、メルカリのコアユーザーのリテラシーは高くない。それに加えてお金に関することになると人は感情的になりがちなので、CSには感情をぶちまけるような問い合わせ(エラーが出て金が減った減ってないだ、詐欺にあったから返金しろ等)が毎日膨大な数届いているだろう。これは僕も動画配信系サービスのCSに関わったことがあるので容易に想像がつく。Twitterで「#メルカリ 詐欺」とかで検索してもらえば肌感はわかると思う。

メルカリにとってはモラルの低いユーザーによる違法な出品物を監視しなければならないというのも頭の痛い問題だろう。現金を売るようなブームは過ぎた?ようだけど、ユーザー投稿型プラットフォームに監視体制は必須で、規約に反するユーザーはBANしていかないといけないものだよね。内部は、エンジニアが監視ツール作り、CSのバイトがサービス内を人力で徘徊して、違反者を見つけたらクリック2つぐらいでユーザーをBANできるといったところじゃないだろうか。定額を払って専門業者に委託しているかもしれない。これも維持し続けるのはトータルで考えると企業としてコストがかかる。

それに対して、とにかくサクッと持ち物を売って現金化したいというニーズを捉えてサービス化したのがCASHで、UI/UXも洗練されている。売りたいもの(現在はアパレル系のアイテムとAppleやSony製のガジェット等)のブランドと状態を選択して写真を撮るだけで査定金額が表示される。自宅に引き取り業者が来てくれて、それを玄関先で渡すだけでいい。ステップ数が少ないし値引き交渉に応じる必要がないのでとにかく処分してしまいたい時は重宝する。また、事業者側が物を買い取るのでメルカリが抱えているような問題は基本的に発生しない。

中古車と同じで物は買ってしまえば販路はいくらでもあるはずだ。販路は国内に限定する必要はなくて中国、韓国の近場をはじめ、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピンなどの東南アジアも販路を拡大できる可能性はある。DMMはアフリカに展開しようとしているので、アフリカという方向もゼロじゃないんじゃないかな。全体として投資に対するリターンが見込めればの話しだとは思うけど。

あとは、個人的にCASHはDMMと組んだからには決済系のサービスを爆速で展開してくれることを期待してる。というのも、CASHで物を現金化するとそのお金がアプリ内の自分のウォレットに入ることになり、これを引き出す(銀行に振込)時に手数料が発生するということになっている。そこで、そのウォレット内のお金を電子マネーとしてスマホ決済で気軽に使えるようにすると「いらないものを現金化⇒スマホでそのお金を使う」というループが発生してスマホ決済が爆発的に普及する可能性がある。スマホ決済にすれば手数料を安くするとなれば(今は2ヶ月で15%)スマホ決済を使わない手はなくなるからだ。

メルカリ側の勝算としては冒頭に書いたようにすでに相当数のユーザーを抱えている。メルカリNowで買い取ったものを売るチャネルはいくらでも作れるということになる。例えば、メルカリNowでユーザーから物を買い取る⇒メルカリは商品の状態だけ確認して梱包する⇒メルカリのストアで売るといったループを作ることができる。いわばCtoBtoCといったループで、買い取り額と売却額の差額によって間に立っているだけの金を産む木が完成ということになるのかな。ここまで単純化したことはしないと思うけど。